15歳の頃には立志式
春らしい温かい日が続き始めましたね。
もうすぐ4月になり、進学、進級で、今までとは違う、新しい目標を立てることもあるでしょうね。
中学生になると、小学生の時よりも志が高くなることがありますよね。
武家社会では、15歳(満14歳)頃には元服し、成人として扱われていました。
現在、全国各地の中学校でも立志式が行われていますが、そこに起因するものなのだろうと思います。そこで立志について、橋本左内[天保5年(1834年)3月11日に越前福井藩奥外外科医橋本長綱の長男として生まれ、安政6年(1859年)10月7日に安政の大獄で処刑される]が、嘉永元年(1848年)15歳(満14歳)の元服時に、心がけとして記したものがありますので紹介します。
1 稚心を去る(去稚心)
「稚心とは、おさな心、すなわち子供じみた心のこと」
・遊びばかりに熱中し、毎日なまけて楽なことばかり追いかけること
・勉強や稽古ごとをおろそかにして、父や母に甘え自分では何もしないこと
これは、すべて子供じみた水っぽい心、つまり「稚心」から生ずる。
2 気を振う(振気)
「気とは、人に負けまいと思う心、すなわち負けじ魂と、恥ずかしさを知ってそれを悔しく思う気象(=気象)のこと」
・それを振うというのは、常にそうした心で精神を振い起こし、絶えず緊張をゆるめず油断なく努力すること
3 志を立つ(立志)
「志というのは、心の行くところ、すなわち自分の心が向かい赴くところ」
・志つまり目標を持って、自分が目指すところをしっかりと決定し、一度決心したら、まっすぐにその方向を
目指して、その決心を失わず努力すること
4 学に勉む(勉学)
「学(=体系化された知識)をならうということで、すぐれた人物の立派な行いを習い、みずからもそれを
実行していくこと」
・つまりよい行いを習い、それを慕いまねし、自分も決して負けるものかと努力することが、学ということの
第一の意義
5 交友を択ぶ(択交友)
「交友とは自分が交際する友人のことで、択ぶとは多くの中から選び出すという意味」
・自分と交際してくれる人があれば、みな友人として大切にしなければならないこと
・友人には損友と益友とがあり、その違いを見極めて選ぶこと
・損友は、自分の力でよくない面を正しい方向に導いてやらねばならないこと
・もし益友と称すべき人があったら、自分の方から交際を求め、どんなことでも相談して、常に兄弟のよう
に交わること
・世の中には、益友(親友)ほどめぐり合うことが少なく、得がたいものはない。一人でも益友があったら、何をおいても大切にすべきこと。
志を立てて、4月からの新しい生活を充実したものにしていただけたら… と願います。
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