特集③ 胎児は学習している ~脳の発達と感受性期
皆さん こんばんは! 不妊相談ひとすじ20年 宮崎市の漢方相談薬局・くすりの麗明堂、一般社団法人認定の子宝カウンセラー 薬剤師の金丸です。
今日も寒い一日でしたね。でも、お天気が良く、お出掛け日和でした。
さて、今日は、明和さんのお話の3話目です。
胎児の時から、すでに学習しているヒトについての興味深いお話ですので、ぜひ最後までお読みくださいませ。
生命尊重ニュースVol.35 2018年12月号より
京都大学大学院教育学研究科教授
明和 政子(みょうわ まさこ)さん
富山県生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。京都大学霊長類研究所研究員、滋賀県立大学人間文化学部専任講師などを経て、現在は京都大学大学院教育学研究科教授。専門は「比較認知発達科学」。主な著書に『霊長類から人類を読み解く なぜ「まね」をするのか』(河出書房新社)、『心が芽ばえるとき コミュニケーションの誕生と進化』(NTT出版)、『まねが育むヒトの心』(岩波書店)など多数。
胎児の頃から学習するヒト
ヒトの心の働きの発達的起源をたどりましょう。
私はこれまで、150人以上の妊婦さんにご協力いただき、ヒトの胎児の行動を研究してきました。胎児はお母さんのお腹の中で、自分の身体や外界についての学習を積極的に始めています。例えば、胎児は掌で巧みに子宮壁を押したりしています。また、これまでの小児医学では、手と手を合わせる運動制御は生後2ヵ月ごろ獲得されるとみなされていましたが、胎児をよく観察すると、すでに子宮の中でそうした運動を行っています。出生後の環境における重力負荷は、子宮内環境の何倍もあります。胎児期に獲得していた運動制御を、外界で再構成しなおす必要があるのでしょう。
胎児は、自分の身体についての学習も行っています。胎児が指吸いすることは知られていますが、これは上肢を動かしたときに偶然に指が口に到達するわけではないようです。よく観察すると、指が口に到達する直前に口を開け始めます。「予期的口開け」と呼ばれるこうした現象は、自分の手をどう動かせばこれからどのようなことが起こるのかという知識なしには起こりません。こうした知識を、妊娠中期の胎児はすでに持っているのです。
もう一つ、胎児が学習する存在である例を紹介しましょう。これまでの研究で、胎児がお母さんの声とその他の女性の声を区別できることは知られていました。しかし、お母さんの声を聞きながら、子宮の中でどのような応答を見せるかは分かっていませんでした。エコーで調べてみると、とても興味深いことが分かりました。胎児はお母さんの声が聞こえてくると、口を活発に動かし始めるのです。声は口から発せられるものです。それに対して、胎児も口を動かして応答している。お母さんはもちろん気づいてはおられませんが、親子のコミュニケーションはすでに胎児期から始まっているといえそうです。
日本はやむなき事情により堕胎が法律上認められている国です。しかし、科学者という立場からこれほどの能力を発達させている、学習し続けている胎児のふるまいをみると、胎児の生きる権利、「人権の出発点」はいつなのかを考えずにはいられません。科学技術の進歩と共に、人権についての議論を根拠に基づき進化させていくことが必要だと思います。
≪つづきはまた明日≫
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