特集④ 胎児は学習している ~脳の発達と感受性期
皆さん こんばんは! 不妊相談ひとすじ20年 宮崎市の漢方相談薬局・くすりの麗明堂、一般社団法人認定の子宝カウンセラー 薬剤師の金丸です。
今日は、明和政子さんの「胎児は学習している」の最終回です。
最終話の今回、とても興味深かった内容は、早産児の脳の発達のお話でした。しっかりお母さんのお腹の中で成長することの大切さを改めて感じました。どうぞ、皆さん最後までお読みくださいね!
生命尊重ニュースVol.35 2018年12月号より
京都大学大学院教育学研究科教授
明和 政子(みょうわ まさこ)さん
富山県生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。京都大学霊長類研究所研究員、滋賀県立大学人間文化学部専任講師などを経て、現在は京都大学大学院教育学研究科教授。専門は「比較認知発達科学」。主な著書に『霊長類から人類を読み解く なぜ「まね」をするのか』(河出書房新社)、『心が芽ばえるとき コミュニケーションの誕生と進化』(NTT出版)、『まねが育むヒトの心』(岩波書店)など多数。
科学的根拠による発達支援を
本来は胎児である早期産児(以下、早産児)の研究を、京都大学医学部付属病院の先生方と共に8年以上にわたって行ってきました。早産児は、脳の感受性期に、子宮とは全く異なる環境で育ち始める存在です。最近発表された海外の長期コーホート研究は、早産児の脳発達における環境の影響を強く示唆しています。早産児は、出生時に重篤な疾患が無い場合でも、就学前に発達障害と診断されるリスクが満期産出生の場合の3~8倍もあるといいます。
赤ちゃんの『泣き』は、自律神経系を評価する簡便な方法としてよく使われます。早産児が出生予定日に達した時期(3ヶ月早く生まれた早産児の場合、生後3ヶ月の時点)の泣き声を、満期産新生児の泣き声と比較してみました。すると、早産児の方は極めて甲高い声で泣くことが分かってきました。これは、迷走神経と呼ばれる主要な副交感神経の一つと密接に関連しています。
早産児は副交感神経の機能に弱さがみられ、交感神経系が優位に働きます。つまり、過緊張な状態が続いているのです。こうした自律神経系の異質性が、甲高い泣きという表現型という形で現れていると考えられます。では、発達初期のこうした自律神経系機能の弱さは、早産児のその後の発達にどのような影響をもたらすのでしょうか。
私たちは、修正齢6ヵ月、9ヵ月、12ヵ月、18ヵ月の多点にわたり、早産児の社会的認知発達を追跡調査しました。すると、早産児全員ではありませんが、修正齢12ヵ月の早産児は、相手の視線を追って注意を同じ対象に向ける(共同注意)ことが苦手であることが分かりました。また、他者よりも幾何学図形の方に強い関心を向ける早産児も少なからずいることが分かりました。満期産児では、幾何学図形の方を好むケースは皆無です。こうしたことから、発達初期(脳の感受性期)の環境の異質性は、後の社会的認知の発達に影響する可能性がみえてきました。
ヒトは胎児の頃から環境と相互作用することにより学び続け、脳を発達させている存在です。科学的根拠に裏付けられた真に妥当な発達支援を提案し、早期から実施することが何より重要です。京大医学部付属病院では、早産児の基礎研究の成果を医師や看護師に臨床的に使って頂く試みも始まっています。子供も親も、共に生きること・成長することの幸せを日々実感できる社会に変えたい。これが、人間科学に携わる科学者としての使命だと思っています。
(東京いのちの講演会より)
≪完結≫
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