『コロナが収束したらやってほしいこと』触れられて育つ子どもの心③
皆さん こんばんは! 不妊相談ひとすじ25年 宮崎市の漢方相談薬局・漢方の麗明堂、一般社団法人認定の子宝カウンセラー 薬剤師の金丸です。
今日は、一昨日と昨日に続いて山口創さんの『触れられて育つ子どもの心』の第3話(最終話)を紹介させていただきます。
山口さんは、子どもが「触れられて育つこと」の大切さをお話されていますが、私がなるほど~と思ったのは、今日のお話の中で出てくる母親の身体接触と父親の身体接触の違い、そして保育士との身体接触との違いでした。
コロナで外出が少なくなっている中ですが、子どもたちには、できるだけ多くの人と触れ合って成長してもらいたいと思いました。
それでは、山口創さんの最終話を、どうぞゆっくりお読みくださいませ。
山口 創氏(やまぐちはじめ) 桜美林大学リベラルアーツ学群教授
1967年静岡県に生まれる。聖徳大学人文学部講師を経て、桜美林大学リベラルアーツ学群教授、臨床発達心理士。早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。専攻は臨床心理学、身体心理学。『子供の「脳」は肌にある』(光文社新書)『手の治療力』(草思社)『幸せになる脳は抱っこで育つ』(廣剤堂出版)『皮膚は「心」を持っていた!』(青春出版社)など著書多数。「世界一受けたい授業」「チコちゃんに叱られる」などテレビでも活躍。「触れる」ことをテーマに、子育て、看護・介護、セラピスト等様々な人を対象に研究や講演活動を行っている。
触れられて育つ子どもの心
コロナが収束したらやってほしいこと
筆者が行った研究では、母親と父親では子どもに与える身体接触の影響が異なることが分かっています。すなわち、母親の身体接触は、子どもの情緒的な安定を促すのに対して、父親の身体接触は、子どもの社会性を促すのです。
母親との身体接触は、授乳などの世話としての身体接触が多いため、不快や不安を取り除き、安心させてくれる母親の身体接触は、母子の安定した愛着の形成につながるため、子どもの情緒的な発達が促されるのでしょう。一方で、父親との身体接触は、子どもとの遊び場面が多かったため、それが社会性へと発展したのだと思われます。
さらに筆者の別の研究では、保育園で保育士との身体接触は、また別の意味を持っていることも分かってきました。つまり、子どもにとって保育園では、保育士が安全基地としての役割を担っています。ですから保育士との身体接触が多く安全基地として機能している子どもは、安心して積極的に他の子どもとの関わりをしていけるようになることができることがわかりました。
他の子どもとの関わる際にも、リーダーシップをとって積極的になることができるのです。このような対人関係の積極性も、重要な非認知力の一つです。そういったことが、将来的に学力の高さにも波及し、学歴の高さや収入の高さといったことにまで生涯つながっていくのだと思います。
昔から日本の育児は、「べったり育児」という言葉もあるように、親だけではなく、きょうだい、近所の子どもたち、近隣の大人たちなどからよく触れられて育ちました。コロナ禍ではこのようなことが制限されてしまい、子どもたちの心に深刻な影響を与えているのではと危惧しています。
保育園や幼稚園で、友達と触れ合いたいのに触れられなかったり、近づきたいのに近づけず、仲良くなりきれないとか、一緒に笑い合う顔を確認したいのにマスク越しでよく分からない、などと言った毎日が続くことで、子どもの社会性が育たないばかりか、他者を怖がる子どもも出てきているようです。しかしコロナが収束するまでは、ある程度は仕方ないのだと思います。
せめて家庭の中では、親子の触れ合いは制限されませんから、そこで十分に身体接触を補い、安定した愛着を築くことに全力を注いでいただきたいと思っています。いつの日か、コロナが収束した暁には、十分にできなかった触れ合いを欲求不満を補うべく、人との触れ合いの素晴らしさや楽しさを改めて噛み締めて、それを取り戻す方向に進んでほしいと切に願っています。
決して人との距離をとることが快適だという心の風景に変わってしまわないように、願っています。
生命尊重ニュース11月号より http://www.seimeisontyou.org/
↑上のピンク色のバナーを1日1回クリックしてみてね!すると、きっとあなたにいいことが…
~ブログランキングに参加しています!~
今日の記事を気に入って頂けたら、上のピンク色のバナーをタッチ していただけると有難いです!皆さんのご愛読、ご支援に感謝いたします。
コメントを残す