2016年3月のコラム
昨年11月に行われました、朝日学生新聞社主催の第9回 『いつもありがとう』作文コンクールで、最優秀賞に選ばれた宮崎市の小学一年生井上愁稀柊(いのうえあきと)くんの心温まる素敵な作文をご紹介させていただきます。
「お兄ちゃんありがとう」(全文)
僕は、国語と算数の授業だけ「なかよし」というところで勉強しています。みんなとは少し違うけどそんなこと、気にしないでいつも優しく見守ってくれたり、分からない問題を教えてくれたり、普通のように僕の相手をしてくれます。そのことが嬉しくて、楽しくて毎日が面白いので、笑ってばかりいる日が僕にとっては大好きです。時にはけんかをして。パパやママに怒られています。ママは、僕が普通じゃないのを気にしているようで、僕よりお兄ちゃんを、激しく怒ります。お兄ちゃんは「何でゆきとだけを怒るの」って言ってます。ママは「あとであきとも怒るよ」って言います。お兄ちゃんは、すぐ「あきとみたいに障害者になりたい」って言います。僕は障害者じゃないと思うけど、周りからはそう見えているんだなと感じてしまいます。そのあと、お兄ちゃんは、「あきとごめん。あきとは好きで障害になったんじゃないんだよね。だいじょうぶ、どんなことがあっても、僕があきとを守るよ」って言ってくれます。そんなことを言ってくれるお兄ちゃんは、誰よりも頼りになり、かっこいいお兄ちゃんです。でも、お兄ちゃんに頼ってばかりだけじゃいやです。だから、僕はお兄ちゃんみたいになれないけど、少しでもお兄ちゃんに迷惑や心配を掛けたくないので、がんばってママに怒られないようにしていきたい。そして「お兄ちゃんは悪くない」と言えるように、勇気を出してママたちに伝えたいです。「お兄ちゃんは、僕のせいで我慢ばかりしているんだよ」って、周りに言われるけど、我慢はしないで欲しいです。「こんな僕は、生まれて来ないほうが良かったんだ」って言ったときがありました。でもお兄ちゃんに「あきとが居るから毎日が楽しくて毎日一緒に学校行くのが出来て嬉しいんだよ」「もう生まれて来なきゃよかったって言うな」って言われました。「生まれて来なきゃよかったって子は誰一人居ないんだ」そう言ったときのお兄ちゃんは、泣いていました。そのとき僕は、僕も 生きていていいんだ。僕みたいな子でも、泣いてくれる人が居るんだと教えてくれました。お兄ちゃんの弟として生まれて来れて幸せです。お兄ちゃん、僕のお兄ちゃんでありがとう。お兄ちゃん僕は、ずっとお兄ちゃんの弟です。これからもよろしくね。
大好きだよ。ゆきとお兄ちゃん。
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