2012年9月のコラム
今回は横浜の産婦人科医の池川明先生のご講演でうかがった妊娠と環境ホルモン「ダイオキシン」について皆様にお伝えしたいと思います。
「ダイオキシンという言葉は、皆さんも何度かは耳にした事があると思いますが、ビニールやプラスチックなどを燃やした時に出てくる遺伝子をかく乱してしまう化学物質で、一度ヒトの体に入ってきたらなかなか出ていかないことから、史上最強の毒物とも言われています。
ダイオキシンと不妊症についてのデータは、米国のライアーが1970年からアカゲザルを使って研究を行っており、アカゲザルを①ダイオキシンの影響を全く受けていないコントロール群と、②低濃度のダイオキシン群と、③高濃度のダイオキシン群に分けて生殖行動を調べてみると、①のコントロール群は8匹中7匹が妊娠して全て出産したのに対し、②低濃度のダイオキシン群は8匹中7匹が妊娠して6匹が出産して、1匹が死産、③高濃度のダイオキシン群は8匹中5匹が妊娠して正常に出産したのは1匹で、3匹は流産、1匹は死産だったというデータが出ています。
つまり、ダイオキシンの量が増えるにつれて妊娠率が下がり、流産や死産が増えやすくなるというのです。また現在、不妊・不育症外来を訪れる人の流産率が30%以上という事実を見てみても、このダイオキシンの対策が不可欠だと思うのです」
とのことでした。
しかし、ダイオキシンは食物連鎖の頂点にある人間の口から入るものが一番濃度が高く、一度体内に取り込まれるとほとんど自然には排出されずに濃度を高めていくので、対策が難しいのが現状です。
そこで、ダイオキシンを体外に排出するラットの実験を見てみますと、何も対策をしていない群がダイオキシンを半分量まで排出する(半減期)のに約10年掛かるのに対して、玄米を毎日食べている群が2年半で半分に、葉緑素を毎日とっている群は何と1年前後でダイオキシンを半分に減らせることが分かりました。
決して一朝一夕にはいきませんが、やっぱり何事も毎日の小さな良いことの積み重ねが、後から大きな喜びとなってやってくるのだと思います。肌のきれいな丈夫で元気な赤ちゃんを授かる為に、今出来ることをしっかり続けていきましょうね。
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