2011年6月のコラム①
昨年の今頃は、宮崎県内での口蹄疫の拡大がすすみ、固唾を飲みながら戦々恐々と毎日を送っていたことを思い出し、「あれから一年が経つんだ。でも、犠牲になった29万頭の牛や豚のことを忘れてはいけない」と思っていた時、福岡の助産師 内田美智子さんの書いた絵本『いのちをいただく』と出逢いました。
(6月のコラム②に内容の一部を参照)
20年近く前から、産前教育の一環で「いのち」「性」「食」をテーマに全国で講演活動を展開していた内田さんが、2007年の秋にたまたま出向いた講演先(熊本県の小学校)で運命的な出逢いがあったというのが、その時のもう一人の講演者で、熊本市肉食センターで働く坂本さん。坂本さんは家畜の解体現場に居るからこそ見える“いのちを提供する動物への感謝を忘れないでほしい”との思いから、15年前から講演活動を始めました。26歳から今の仕事を始めた坂本さん・・・最初は仕事だと割り切り「家畜を一つの動物の命と捉えていたら身が持たない」と、可哀そうという感情もなかった坂本さんでしたが、20年ほど前に、絵本『いのちをいただく』に出てくる、ある少女とおじいちゃんとの出逢いがきっかけで、それから現場を知らない子どもたちに向き合い、「私たちが毎日食べている肉には本来いのちがあって、そのいのちを戴いているから、今自分が生かされている。動物にも、お父さん、お母さんや兄弟がいて、本当は家族と一緒に遊びたいと思っていたけど、人間のために肉になったのだよ。だから、その肉をちゃんと食べてあげて!」と語っているそうです。
私は子どもの頃、お正月のおもてなし料理のために、さっきまで餌をあげていた鶏が目の前で首を切り落とされたのが可哀そうで、暫く鳥肉を食べられませんでしたが、“いのちをいただく”ことを肌で感じる貴重な体験をさせていただいたと、今では思っています。私たち人間は、本当に多くの“いのちをいただく”ことによって生かされているんですよね。いのちに感謝!!
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