2022年9月 コラム
月刊誌【れいろう】の中に、「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者である坂本光司さんのインタビュー記事がありましたので、ご紹介させて頂きます。もう今から15年ほど前に、私の父がとても感動してお客様へのお便り『まごころ通信』に書いた、素晴らしいおススメの本です。
≪社長の一番の仕事とは・・・≫
記者) これまで実際に足を運び、調査やアドバイスをした会社は8千社近くになるそうですね。特に、どんな会社が印象に残っていますか。
坂本さん) 8千社のうち1割ほどは、大学院の講義などですぐれた事例として取り上げています。中でも選りすぐりの素晴らしい会社は、いつまでも存続できるよう応援する気持ちも込めて、「日本でいちばん大切にしたい会社」(あさ出版)シリーズに取り上げ、紹介してきました。数ある印象深い会社の一つに、今年3月に「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」で表彰された、静岡県磐田市のコーケン工業(株)があります。 ここは社員全体の3分の1近くが65歳以上で、10代から80代までの社員が家族のように寄り添い、助け合いながら社会に貢献しようとしています。社長に「今の夢は?」と尋ねましたら、「最高齢の社員(現在83歳)に100歳まで勤めてもらうことだ」と仰いました。そのために何をすべきかを全員で常に考えているというのです。
記者) 社員を部品のように扱うブラック企業とは、まさに経営者には対極ですね。そもそも経営者とは、社員やその家族にどんな配慮をすべきと お考えですか?
坂本さん) 「会社は一つの家族体である」と考えるべきです。社長が男性ならお父さん、女性ならお母さん、部長や課長はお兄さん、お姉さんといった家族的経営を目指すのです。新入社員は妹や弟ですね。そうであればたとえ経営が困難な状況になっても、家族に対して「おまえ、ご飯を食べるな!」なんて言うお父さんはいないですよね。会社は営利を追求する装置ではありません。そこには血が通っています。会社は家族であるということを常に心に留めていれば、自ずと何をやるべきかが見えてきます。例えば、社員のだれかが誕生日だったら、お祝いのメッセージカードを書こうとか、朝礼のときに皆の前で紹介しようと、そういうことに気づくでしょう。
社員のために時間を使うこと。これが社長の一番の仕事です。