特集）子供を大切にしてきた日本人①

公開日：2018年10月17日カテゴリー：ブログ, 素晴らしいお話

　皆さん　こんにちは！　不妊相談ひとすじ２０年　宮崎市の漢方相談薬局・くすりの麗明堂、一般社団法人認定の子宝カウンセラー　薬剤師の金丸です。

　先週まで心理学の研修でアメリカに行っている中で、いろんな国の人が自己紹介で私が日本人だとわかると、表情が明るくなり、日本の良さ、素晴らしさ、美味しさ？を語ってくれました。

　日本にいると、これが当たり前だと思ってしまいますが、外国では通用しないことが多いのです。アメリカでは救急車で病院に運んでもらったら後で約３０万円の支払いが来ます。これが、アメリカでは当たり前なのです。これを知っていたら命に係わるようなことでない限り、救急車は呼ばないでしょう。

　さて、今日から３回シリーズで西洋史学者の井上教授の興味深いお話をご紹介させていただきます。

同志社大学教授　井上雅夫（いのうえまさお）　1946年生まれ。日本の西洋史学者。専門は中世ドイツ史。　　　　　同志社大学文学部文化史学科教授。新教育者連盟理事長。

≪子どもを大切にしてきた日本人≫

私は同志社大学で西洋学を教えております。西洋と日本のあり方や文化の違いということから話をしたいと思います。

　〝赤ちゃんが生まれて一番幸せな国″というのは、昭和の初めに来日したイギリスのサンソム夫人という方が、何年か日本に住んで印象を語られた言葉です。　戦前のことは、暗いイメージをお持ちかもしれませんが、少なくとも親子の関係は非常に良かったんですね。子どもが大切にされている国だということを、　当時日本に来た西洋人の多くが感じていました。現在の日本は子供の虐待が問題にされたりしますが、それでも私は日本は今でも世界で一番子供が幸せな国だと思います。

　子育ての環境を考えても、日本は子供の為のお祭りがずいぶん多い。例えば七夕さん、端午の節句、お雛祭り、京都では8月になると地蔵盆という子どもの祭りがあります。歌舞伎には子役が登場しますが、子役が出る舞台は西洋にはないんです。祇園祭りではお稚児さんとしての出番があります。このように子供が主役で活躍できる場がたくさんあるんです。

　家庭でも子供に対して、夫婦がお互いを名前で呼ばないで、「お父さん、お母さん」と言う。これは子供を基準にしている呼び方です。夫婦は自然に子供を中心にしています。これもヨーロッパにはありません。

あらゆるものに命を見る

日本語は「いろは」を覚えたら読めるし書けますね。だから幼稚園児でも、絵本を読めます。でも英語だとＡＢＣを覚えてもスペルを知らなければ書けません。そのために西洋では、ある年代になるまで読んだり書いたりできない。　　　　　　　　　　　　　　　　　自然に対する考え方にも違いがあります。日本では神様と万物や人は親子の関係。いのちが繋がっているというふうに見てきた。世界遺産になった富士山、これは霊山なんです。また「一寸の虫にも五分の魂」と、ちょっとした虫にも魂があるという言い方をします。お針供養とか筆供養など、無生物でも供養をするのは、あらゆるものに命を見てきたからです。これが日本人の万物観であり、自然観と言えます。ご飯を食べる時「いただきます」というのは、ご飯を作って貰った人に感謝するだけでなく、ご飯そのものを拝んでいる。単なる物質ではないわけです。こういうことは意識しなくても、日本人は結構持っているんです。お日さま、お月さまという言い方、これも単なる太陽、月ではない。日本人にとって太陽は神様なんです。昔は朝日が出てくると手を合わせた。お月見にはお供え物をする。ものに命がある。それが日本人の考え方なんですね。

最近言われている〝もったいない″という言葉も「ものではない」という意味があるんです。単にケチというのではなく、命あるいは魂があると考えた。だから捨てない。日本人の持っている物質観、あるいは万物観、自然観は非常に素晴らしいものです。自然と人間、そこには命が通っているわけです。西洋では、人間には魂があるけど、物質に魂があるとは思っていない。　だから富士山がなぜ霊山とされているのか、また針を供養することの意味が分かない。　　　　　　　　　日本では目に見えないものにいのちを感じてきた。胎児は見えないけれどもそこに命を感じ、胎教をする。生まれる前からすでに教育が始まっているわけです。

≪つづく≫

◎発行　生命尊重センターhttp://www.semeisontyou.org/

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