の山(のさん)
今日は、朝、少し早起きして、延岡の街を流れる“五ヶ瀬川”のほとりを散歩しました。
ここから東に行くと、すぐ先は日向灘(太平洋)です。
私が、まだ小学生の低学年の頃、伯父の転勤先が延岡で、何度も延岡に泊まりに行ったことを懐かしく思い出しました。奥に見える山は愛宕山で少し右にある赤と白の大きな煙突は、陸上(駅伝やマラソン)で有名な旭化成の工場です。この川の少し上流に「鮎やな」があって、秋になると天然の鮎が食べられるのです。
今日は、宮崎の代表的な方言『のさん』のおもしろい詩を紹介させていただきます。
宮崎の方以外は、あまり耳慣れない方言だと思いますが、こんな風に使うのです。
「今日は、朝から忙しして、まこち“のさん”かったがねー」
これを、標準語に直すと、「今日は、朝から忙しくて、本当にきつかったねー」という感じになります。
つまり、「大変だ」とか「疲れた・だるい・きつい」とか「もう、たまらない」という時に、宮崎の人が使う代表的な方言なのです。
その“のさん”を題材にしたおもしろい詩が、こちら↓です。
の山(のさん)
人生をよく山に例える人がいます。
確かに人生とはどこまで登っても頂上のない 大きな山なのかもしれません。
その名も“の山(のさん)”です。
このの山を登るのは至難の業です。
なんせ、そのの山にはよだ木という木が べらっと生えているからです。
このよだ木がくせもんです。
この木を切りたおし、開拓しなければ、の山を登っていくことはできません。
また開拓するためには、よだ木の根っこのしかしかむ根を
掘りおこさなければなりません。
さらに、よだ木には、しょの実、ねた実、ひが実という実がつきます。
これらを開拓すれば、やる木というすばらしい木が生えてきて、やっちみろか根が張り出します。
そして、そのうちに人間実やあわれ実、つよ実というすばらしい実をつけます。
の山を登るのを嫌がって、てにゃ丘に登って満足する人がいますが、てにゃ丘にはでい蛇とかぼく蛇というこわい毒蛇がいます。
それらの蛇にかみころされてしまうのがオチです。
よだ木に負けず、の山を精一杯のぼりましょう。
宮崎弁の標準語訳:
よだ木 →よだきい (宮崎弁)これも「だるい」や「めんどうくさい」などが主だと思います。
しかしかむ根 →しかしかむね (宮崎弁)「なまいきな」という意味があるようです。
しょの実 →しょのみ(宮崎弁)基本的に「嫉妬する」という意味です。「ねたむ」「ひがむ」と同じ意味
やっちみろか根 →やっちみろかね (宮崎弁)これは「やってみようかな!」という宮崎弁のしゃべり言葉ですね。
てにゃ丘 →てにゃおか (宮崎弁)「てにゃおか」や「てにゃわん」と言いますが、「手に負えない」という意味です。
でい蛇(でいじゃ)、ぼく蛇(ぼくじゃ)→でいじゃ、ぼくじゃ (宮崎弁)「大変だ」という意味です。
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