特集）幸せ癖をつけましょう① 鈴木秀子さん

公開日：2018年10月24日カテゴリー：ブログ, 素晴らしいお話

　皆さん　こんばんは！　不妊相談ひとすじ２０年　宮崎市の漢方相談薬局・くすりの麗明堂、一般社団法人認定の子宝カウンセラー　薬剤師の金丸です。

鈴木　秀子（すずきひでこ）さん　　　　　　　　　国際コミュニオン学会名誉会長

東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。スタンフォード大学で教鞭をとる。聖心女子大学教授を経て、聖心女子大学キリスト教文化研所究研究員。国際文学療法学会会長。全国及び海外で「人生の意味」を聴衆とともに考える講演会、ワークショップなどを開いている。著書に『いのちの絆　大震災を生きる』（静山社）『幸せになるキーワード』（致知出版社)『死にゆく者との対話』（文春文庫）『幸せ革命』（海竜社）『奇蹟は自分で起こす』（海竜社）『あなたは、あなたのままでいてください』（アスコム）他多数。

自分を不幸だと思ったら、惨めだと思ったら、当たり前のことに感謝してください。少なくとも感謝できることを十個探してください。私達は自分で自分を不幸にし、自分で自分を幸せにしていきます。『奇蹟は自分で起こす』より

●お父さんの遺影が一番の宝物

今、幸せって何でしょう？ということが、日本中に問いかけられています。私は震災直後から東北に行っていますが、被災した人たちの苦しみも、その時どんな様子だったかお聞きしました。あるお母さんが、次のような話をして下さいました。自分は夫が震災の一ヵ月前に交通事故で突然死しました。葬儀がすんでやっと落ち着いた時に地震が来ました。その日は、たった一人の小学校三年生の息子が風邪で学校に行けずに、家で寝ていました。地震が来るという知らせを聞いて、その男の子に向かって、『地震が来るから何でもいいから、あなたの一番大事なものを持って急いで逃げて。お母さんは二階に行ってあなたのジャケットを取ってくるから、すぐに追いつくからとにかく先に逃げて』と言いました。そしてお母さんは二階に上がり始めました。二階に上がりながら、フッと振り返ると『お母さん、お母さん』と子どもが叫んでいます。その子が『お母さん持ったよ、僕の一番大事なもの持ったよ！』と言ったのです。そして掲げて見せてくれたのは、お父さんの遺影でした。お母さんは胸を衝かれました。子どもを見ると『早く逃げて』と言ったとたんに津波が押し寄せて、お母さんは意識を失ってしまいました。それで、ハッと気が付いたらお母さんは二階の箪笥の上に座っていました。知らないうちに自分が梁につかまって箪笥の上に腰掛けるようにして座って、いのちが助かったのです。でも、その男の子は流されて亡くなっていました。そのお母さんが私にしみじみこう言いました。『私は夫を一ヵ月前に亡くしました。そしてたった一人の息子も亡くしました。これから自分は1人で生きていかなきゃいけません。けれども、最後に子供が言った事は『お母さん持ったよ、僕の一番大事なもの持ったよ！』息子にとって宝物はゲームでも何でもない、お父さんの遺影だったのです。そして私はこの子を授かって、9歳まで一緒に生きれたということは大きな恵みだったと強く感じました。子供が最後に言ってくれた言葉によって、家族を持ちえた事が一番の恵みだった。だからそのことが力になって、これから一人でも生きていけます。そして、孤独になった子供達や、独りになったお年寄りがたくさんいますから、その人たちのために小さい事でも、自分ができることをして生きていきたいと思います。夫と息子がそういうふうに応援していてくれるからです』と。今、日本では年間三万人の人が自殺すると言われています。例えば、末期癌のような病気を苦にしたり、経済的な理由であったり･･･それはきっかけにはなりますが、なぜ死ぬほど追い詰められるかというと、それは自分が誰ともつながりがないという孤独感なのです。お母さんやお父さんが心配してくれている、あるいはたとえ傍にいなくても、亡くなった両親、そして家族や友人、もしかすると神様かもしれませんが、そういう人たちが自分のことを気にかけてくれているというような繋がりが感じられるとき、人は孤独ではないのです。例えば妊娠で悩む若いお母さんも、誰かが一円玉の寄付によって、産むように、子供が立派に育つように応援してくれるという絆、そういう思いだけでも人は生きられるのです。

≪つづく≫

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