2011年11 月のコラム
先月、中国の広東省仏山市で大変ショッキングな事件が起きました。金属問屋街の狭い路上で、2歳の女の子が車にひき逃げされました。車は前輪で女の子をひいて一度は停まったものの、運転手は車から降りずに再び発車し、後輪でも女の子をひいてしまいました。女の子が血を流したまま泣きながら倒れているすぐ横を18人の大人が通った のに、誰一人助けようともせず、その間に女の子は別の車にも両足をひかれました。そして7分後、19番目に通った廃品回収の57歳の女性がやっと女の子を助け起こし、警察や消防に通報したのです。女の子は、その後病院に運ばれましたが、すでに脳死状態で3日後に亡くなりました。
この事件の一部始終が防犯カメラに記録されていて、私はテレビで映像を見たのですが、一瞬鳥肌が立ち身震いがしました。記事などによると、ひき逃げした運転手は「子供をひいたのは知っていたが1人ひき殺しても1~2万元で済む」と軽々しく言ったらしく、見て見ぬふりをした通行人の気持ちを想像した人の声によると「事件を通報したり被害者を救助したりすれば、警察に事情を聞かれたり、かえって加害者として疑われかねない。」「関わらないほうが賢明だ。」と紹介されていました。これが真実ならば、本当に恐ろしいことだと思います。
1979年にノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサが、『愛の反対は憎しみではない 無関心である』という言葉を残したように、目の前の苦しんでいる人に無関心であったり傍観者であることが、いかに冷たく無情であるかを、今こそ私たち大人が考えなくてはいけないと痛感しました。次の世代の子供たちにみんなで助け合う優しい社会を残していくために…
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