2004年4月のコラム
先月は、「鳥インフルエンザ」の話題で日本中が大変な騒ぎになりました。ここ数年、牛乳製造メーカーの事件や食肉偽装事件など…ますます安全な食品を探すのが難しくなっていくと共に、企業や会社のモラルが真に問われる時代になってきた様に私は感じています。
お伊勢参りのおみやげ…と言ったら多分誰もがご存知のお菓子『赤福』の会社は、年商100億円以上の日本で指折りのお菓子メーカーですが、創業1707年という歴史あるこの会社でも、実は絶対的なピンチが過去にあったと以前に伺ったことがあります。それは昭和19~26年の間、戦争の影響で品質の良い小豆が手に入らなかった7年間、先々代の社長が「戦前と同じレベルの材料が入ってくるまで赤福は作らない!!」と言って営業を中止したのです。その間に赤福を真似たお菓子を売るお店が13軒もできて周りから心配されたそうですが、この社長は「昔通の材料、製法でまた作り始めればきっとお客様は戻ってくる」と7年間その時期を待ったのだそうです。赤福をこよなく愛して下さっているお客様に不満足なものは渡せない・・・というこの正しい考え方(哲学)が今の『赤福』の繁栄につながっているのだと思います。先々代の社長がいつも仰っていた言葉が「こちらからお客様を裏切らない限り、決してお客様から裏切る事はない」だったのだそうです。
これからは、ますます企業や会社の『正しさ』や『哲学』を見てお客様が商品を選んでいく時代になっていくことと思います。私も麗明堂の2代目として、常に正しく、お客様に本当に喜ばれる仕事を続けていきたいと思っています。
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