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2003年6月のコラム

公開日:2003年06月14日 カテゴリー:2003年

先月、息子達がそれぞれ8歳と4歳の誕生日を迎えました。普段は買ってもらえないケーキが食べられる誕生日の日を、子供達は『自分が祝ってもらえる日だ!』と当然のように思っていますので、今年は子供達に私が子供の頃の誕生日の話をしてあげました。
 私が子供の頃の誕生日…近所のお友達は皆、誕生日にはケーキを買ってみんなに祝ってもらうのに、私の家だけは全く違う仕来たりがありました。その仕来たりとは、私の誕生日が来ると母は朝からお赤飯を炊いて、幼稚園から帰ってきた私を車に乗せて“幸市が無事5歳になりました。”と近くに住んでいる祖母や親戚の家に挨拶に行くことでした。親戚のおじさんやおばさんに「こうちゃん、大きくなったね!」と頭を撫でられながらも、なかなか素直に喜べずに、「どうして僕にはケーキが無いとね?」と当時はよく母に文句を言ったものでしたが、母曰く「誕生日はね..みんなのお陰で迎えられたのだから、ここまで大きくなりましたとお世話になった人にお礼を言う日なのよ。」と、物心もつかない5歳の頃から教えられ、結局私は一度もケーキを買ってもらえなかったのです。
 今考えると、母は3回の流産の末にやっと授かった私の元気な姿を嬉しく有難く思い、感謝とお礼の気持ちで祖母や親戚に報告していたのかもしれません。
  今は祝ってもらうこと当たり前だと思っている息子達にも、母が私に言い続けた『感謝とお礼の気持ち』だけはこれからも教えていきたいと思っています。

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