2023年1月のコラム
お正月と言えば、お年玉! 今月は、お年玉の本来の意味について
お話したいと思います。
子どものお正月の1番の楽しみといえば、やっぱりお年玉ですよね!
現在のお年玉は、両親や親戚、目上の人が、子供へお金を渡すと
いう風習として広まっていますが、昔のお年玉は何だったと思いますか?
実は・・・もともと“お餅”だったそうです。しかし、単なる餅ではなく、
それは「魂(たましい)」を象徴するものでした。
魂とは、簡単に言うと“力”であり、それを年神(としがみ)様から一年分分け与えて
頂き、これから一年の健康を祈る為にお餅を食べる風習が広まっていました。
お餅を食べる=魂を頂く=一年分の力を得る!!という訳です。
そもそも正月行事とは、新年の神様である年神様を家に迎えてもてなし、見送るための行事なんです。
年神様は、新年の幸福と恵みと共に、私達に魂を分け与えて下さる神様の事です。
正月行事の一つとして、鏡餅がありますよね。
あの鏡餅にもちゃんと意味があり、鏡餅は年神様の依り代(よりしろ)になるのです。
依り代とは、神霊の憑依物のことであり、鏡餅に年神様が憑依する訳です。
すると、鏡餅には、年神様の“魂(たましい)”が宿ります。
この魂こそが、“年魂(としだま)”として、家長(お父さん)が家族に
分ける“お年玉” だったのです。
この魂(お餅)を分け与える為の料理が、正月料理でお馴染みのお雑煮です。
お雑煮にお餅は付き物ですね。私達が毎年正月に食べているお雑煮。
その中のお餅には、年神様の“魂”が宿り、1年の健康を祈っていただく。
という意味が込められているのです。
それでは、お年玉はいつからお金をあげる風習に変化したと思いますか?
お年玉の歴史は長く、江戸時代には庶民にも浸透していたと言われています。
この時代頃から、お年玉はお餅だけでなくお金や品物などをあげている家庭もあったようです。江戸時代から長くその風習は続き、1960年頃の高度経済成長期頃には、都市部を中心にお年玉=お金となっていったようです。
現代の子どもたちに「お年玉をあげるよ」と言ってお餅をあげたら、きっとがっかりするでしょうが、お年玉の由来を学んで、有意義に使ってもらいたいですね!