特集「恵比寿さまを祭る国」(後半) 玄侑宗久さん
皆さん こんにちは! 不妊相談ひとすじ25年 宮崎市の漢方相談薬局・漢方の麗明堂、一般社団法人認定の子宝カウンセラー 薬剤師の金丸です。
今日の宮崎は、昨日に続いて真夏を思わせるような晴れのお天気です。
さて、昨日に引き続き、7月13日の「生命尊重の日」の特集として書かれた芥川賞作家で僧侶の玄侑宗久さんの『恵比寿さまを祭る国』の後半を紹介したいと思います。
ところで、日本代表になっている恵比寿さんだが、出自はご存知だろうか。じつはこの方、両親はイザナギとイザナミの両祖神。よく知られる子どもは天照大神、スサオウ命、月読命(つくよみのみこと)だが、その三神よりもっと前に、二神の間に出来た子どもだったのである。
『古事記』では「蛭子」と書かれ、「ひるこ」と呼ばれているが、どこか普通の子とは違っていたらしい。育てられないと思った両親は、オノゴロ島から葦(あし)の葉に載せて海へ流した。しかし、「蛭子」はやがて「えびす」と読み替えられて甦り、海の守り神になって帰ってきた。捨てた両親や捨てられた海を怨むこともなく、人々に海の幸を与え、海難から守ってくれる神になったのである。
こんな破格な神様が他にいるだろうか。魚を食べたり漁に出る人々がありがたがるだけでなく、この国の人々はその稀有な出自と転身をも尊崇した。七福神への参加も、日本からはこの神様だけで充分と考えたのである。
新型コロナウイルスに席巻される今、世界に求められるのはこの宝船の象徴する「共生」と「和合」に違いない。そこにはスタンダードというものがなく、欠陥と見える部分さえ「癖」や「個性」と見做される。人間である以上欠陥のない人はおらず、その受容と和合の達成こそが人類の叡智ではないか。
怖いのは、たとえば7人のうち5人の意見が一致したように感じ、残りの二人を排除するような動きが起こることだ。「スピード感」や「効率」重視の世の中にあって、「大多数」はそうした価値観に染まりやすい。そうできない人々は「劣っている」と思われやすい。しかし本当にそうなのかどうか、七福神をおもい出しながら考えてほしい。
5人は同じ意見と括る態度自体に、覇者主義が潜んではいないだろうか。多数決の民主主義は独裁も生みだすし、優生思想も発生させる、そのことに気づいている人はすでに大勢いるはずである。
なにより日本は恵比寿さまを七福神の代表に押し立てた国。けっして「優生」とは見えない命に尊さを感じた人々の国なのである。出生前の詮索はほどほどにして、あとは産土(うぶすな)の神にお任せしては如何だろうか。宝船に乗船できない人は誰もいないはずである。
今回、この玄侑宗久さんの「恵比寿さまを祭る国」を読ませていただいて、恵比寿さんのルーツを知ることができて、またその壮絶な幼少期の話を知ることができて大きな学びをいただきました。本当に破格な神様だと思いました。優劣をあまりにも重視してしまった今の時代の考え方が心の余裕や懐の深さをなくしてしまったような気がしています。
令和の時代は、人にやさしい時代になると私は信じています。
七癖や七難を、自分の心づかいを変えることによって「七福」に変えて、心豊かな家庭や社会にしたいですね・・・
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