大切な人はいつも身近にいる ②

公開日：2019年12月24日カテゴリー：ブログ, 素晴らしいお話

　皆さん　こんばんは！　不妊相談ひとすじ２５年　宮崎市の漢方相談薬局・漢方の麗明堂、一般社団法人認定の子宝カウンセラー　薬剤師の金丸です。

清水健さん　フリーアナウンサー　一般社団法人清水健基金代表理事

1976年大阪府堺市生まれ。中京大学文学部社会学科を卒業し、読売テレビに入社。2009年より夕方の報道番組「かんさい情報ネットten.』を担当、メインキャスターをつとめ、『シミケン』の愛称で親しまれる。2013年5月、スタイリストだった奈緒さんと結婚。2014年長男誕生。112日後に奈緒さんを乳がんで亡くす。2017年讀賣テレビを退社し、子育ての傍ら一般社団法人清水健基金の代表理事として、精力的に講演活動を行っている。著書に『112日間のママ』『笑顔のママと僕の息子の973日間』（小学館）がある。

大切な人はいつも身近にいるー112日間のママ

ママから息子へ（『112日間のママ』講演会のＶＴＲより抜粋）

パパとママの出会いはTVキャスターとスタイリスト。本番前、パパは「今日は俺大丈夫かな」って。ママが「大丈夫ですよ」というとすごくうれしそうだった。ステージの上のパパはかっこよくて、ママね、どんどん好きになっていっちゃった。そんな時パパが「付き合おう」と言ってくれたの。ママはあんまりおしゃべりじゃないから、パパの誕生日には必ずメッセージを書くことにしたの。ママの思い、ちゃんとパパに伝えたいと思ったから。ママの28歳の誕生日にパパからプロポーズ。そして1年後あなたがお腹に。パパに「子どもができた」って言った時、凄く喜んでくれた。やっぱりこの人と一緒になってよかった。

この幸せはこれからもずっと続くと思ってたある日、胸のあたりに違和感を感じた。検査の結果は、トリプルネガティブという進行の早い乳がん。出産するか、今回は治療を優先して諦めるか。幸せの最中に突き付けられた命の選択。泣くのは簡単だった。でもね、ママは「悲劇のヒロインです」みたいにはなりたくなかった。だって、泣いてても悲しんでいてもがんは治らない。暗い気持ちになったら、お腹のあなたに悪影響。三人で生きるという選択。ママたちの決断は、手術でがん細胞を取り除いて影響が出ない程度の抗がん剤治療をして、あなたが生まれてから本格的な抗がん剤治療を施してガンをやっつけて三人で幸せな将来を歩んでいく。あなたには本当に感謝しているんだよ。ママはね、今まで血を見るのも怖かったし、注射で失神しそうになる位弱虫だったの。でも、あなたが来てくれてから、どんどん強くなった気がするの。やっぱりママになるってすごいな。2014年10月、あなたは元気一杯で産まれてきてくれました。本当にお腹の中で頑張ってくれたね。でもその一週間後、精密検査の結果がパパの顔の涙の後ですぐわかっちゃった。それからは、正直抗がん剤の強烈な副作用で大変だった。でも、本当にあなたはママを助けてくれたのよ。ありがとう。

三人での最初で最後の竹富島への旅行。前日は起き上がれないほど体調が悪かったのに、次の日ちゃんと竹富島に立っていたの。お医者さんは「奇跡だ」と言ったけど、奇跡なんかじゃない。それがあなたとパパとママ、3人の力。このまま時が止まればいいのにと思った。パパは何枚とるのと思うくらいカメラのシャッター押し続けて、あなたといる時を写真に閉じ込めてくれた。2015年1月、なかなか抗がん剤を打てない。体調が悪い時に抗がん剤を打つと危険なんだって。1月の終わり、私の看病の為にパパが来週から仕事を休むって。ママは、パパが仕事をしている姿が好きだった。だから言っちゃった。「ごめんね…こんな疫病神で」。パパに「何言ってるねん！」って叱られたのはこの1回だけ。2月5日、パパが言った。「気づいていてると思うけど、もう抗がん剤を打たれへん」。それは治療を止めることなの。パパが泣きながら「ママ、ごめんな」「違うよ、パパは悪くない」「ママも泣いていいよ」とパパは言う。でも、私はまだまだいい妻でいたいし、いいママでいたかったから、泣かないと決めていたの。その翌日、体が痛い。息がしにくい、今までと違う。パパは苦しむ私を見て、最後の決断をしてくれた。有難う、パパ。私を守るために頑張ってくれてたこと、わかってたよ。短い人生だったかもしれないけど、幸せな人生だった。たくさんの人たちが笑顔で言ってくれた、パパはママにとって、あふれんばかりの太陽。パパ、あなたを授かってこれからも輝き続けてくださいね。

≪続きはまた次回に…≫

生命尊重ニュース10月号より　http://www.seimeisontyou.org/

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