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 2018年 3月 2日
カテゴリー:アメブロ ( これからの人生に役立つ話 )

二宮尊徳訓 つなげればもっと大きな喜びへ ④~暮らしに生かす「三方よし」~
 いよいよ、今日が二宮金次郎(尊徳)の最終回です。
二宮金次郎は、内村鑑三が書いた本【代表的日本人】の中に出てくる五人の素晴らしい偉人の一人に挙げられています。

 小学校の頃は、校庭に薪を背中に背負って本を読んでいる像を見ながら、真面目で苦労をした人というイメージしかありませんでしたが、知れば知るほど二宮金次郎は、本当に素晴らしい人だったんだ~と改めて思いました。
 私も後半の自分の人生の中で、金次郎の生き方に少しでも近づきたいと思います。

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二宮尊徳七代目子孫 中桐 万里子さん

昭和49年、東京都生まれ。二宮金次郎(尊徳)から七代目の子孫。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、京都大学大学院に進学。博士(教育学)。専門は臨床教育学。現在は、親子をつなぐ学びのスペース「リレイト」主宰、国際二宮尊徳思想学会常務理事、二宮金次郎基金名誉顧問などを務める。日本道経会互敬塾京滋支部顧問、京都下京区モラロジー事務所登録維持員。著書に『現代に生きる二宮翁夜話』など多数。

 無欲より大欲が【三方よし】の鍵

記者) それだけの農村を復興できた、その原動力はなんだったのでしょうか。

中桐さん) 過去や後ろを見たら、自分を認めてくれたお殿様や命をつないだ親、先祖がいた。
彼から受けたものを農民に返すのだという想いがあったから成し遂げられたのでしょう。
それは引き継いだ息子や弟子も同じで、今度は金次郎が背中にいる存在となったのです。

 農耕社会においては、働くことは「生みの楽しみ」です。
労働が苦労だという考え方は狩猟型社会のもので、我が国においては大きく異なります。
 楽という意味ではなく、苦痛も多々あり、迷ったり悩んだりすることもあるのが当然です。しかし、それらはすべて何かを生み出すための「味」になります。金次郎は、すべてのものが一様ではなく、それぞれに味があるのが理想とも述べています。

記者) より良いものを生み出していくための努力をしていくことが、さらなる幸せを呼ぶということにつながるのですね。

中桐さん) 先ほど「私欲」も悪くないと述べましたが、金次郎は「無欲」が一番まずいと言っています。

 欲がないと言えば美しく聞こえますが、努力しないことの言い訳に過ぎません。
繰り返しになりますが、人は親やその親がいて初めて存在できます。生まれてからも衣食住や教育を与えてくれる大人のおかげで、また幾多の動物や植物を食べ物としていただくことで命をつないでいます。
 無欲、すなわち努力ををしないということは、それらの恩を忘れているということです。恩を知り、今度は自分も誰かを幸せにしようと努力を始め、動き出してほしいのです。

記者) 大地とともに生きてきた日本人にとって「大欲」すなわち「三方よし」の結果を求めるのは当たり前のことだったのですね。

中桐さん) 金次郎は、隣の家から鍬を借りたら、家で作った煮物でもなんでもいいので一品を付けて返すのはよく見かける光景だと言います。
 そうすると、返してもらったほうは「またいつでも!」となります。
借りた側で終わらず、その感謝を力に、今度は自分が煮物をあげて相手を喜ばせる側になる。受け手が次は発信者になっていく。こうやって幸せを増産することが重要だと言うのです。

 こうした日本ならではの思想、発想は工業化が進んだ現在でも生きています。そのように考えると、「三方よし」は机上の空論でも商売に限定した話でもなく、長い歳月、大地を耕し続けてきた現実的な行為や人々の何気ない日常の暮らしから生まれた思想なのだと実感します。(完結)

 
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