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耳寄り情報
 2017年11月26日
カテゴリー:アメブロ ( 素晴らしいお話 )

心臓外科医 天野篤さんのお話③ 「メスを置くとき」
一昨日から紹介していますオフポンプ冠動脈バイパス手術の世界的名医の天野篤医師のお話の最終話。

【心臓手術の世界的名医 順天堂大学医学部教授 天野篤 医師】
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第三話 『メスを置くとき』

・・・61歳の今も現場の最前線に立たれています。目標とされる方はおられますか。

 天野 74歳になっても第一線で脳神経外科医をされている福島孝徳先生は、ひとつの目標ですね。

 天皇陛下の手術を担当したのは56歳のときですが、そのくらいの年齢で手術をしなくなる外科医はたくさんいます。
61歳で1ミリほどの血管を自分で見て、バイパス手術をしている大学教授なんて、過去にいないですよ。私が執刀医であり続けることにこだわるのは、手術という手段がなくなった時に、それでも頼ってくる患者さんに心臓外科医として接するのはうそつきなんじゃないか、という葛藤が捨てきれないからです。心臓外科医はいつも新しいことに挑戦し、前進していなければならないと思っています。
 もしアラジンの魔法のランプがあったら、「今の経験と状況のまま、肉体を30代前半に戻してくれ、あとは何もいらない」って思いますけどね。

・・・教授職の定年まで、あと3年。後進の育成についてはどのようにお考えですか。

 天野 これまでは自分の価値基準で次世代を判断していたのですが、最近は見方が変わってきました。私たちは、高度経済成長期に社会福祉も未熟な中で、貧しさを感じながら育った世代です。今、順天堂の医学部の学生に聞いても、「貧しさ」を感じたことのある人はいません。生まれ育った環境が違います。
 彼らの恵まれた環境から出てくる発想や行動を大事に膨らませてあげたい、後押ししてあげたいと思っています。

 あとよく言うのは、45歳くらいまでは「欲」を持ちなさいということです。
知識欲でも、金銭欲でも、物欲でもいい。「将来、自分がこうなりたい」という姿を強く思い描き、欲を持って自分を駆り立てなさいと。
それで満たされた人が〝今の自分の人生は、自分だけのものではない″と感じることができれば、その手に入れたもので、周りに何かしてあげたいと思うようになるでしょうから。
【れいろう 平成29年11月号より】
耳寄り情報ここまで


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