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これまでに207 のコラムを連載しています(2001年7月から連載開始)

2018年
2018年6月のコラム
今月は、月刊誌『れいろう』に掲載された、中学校校長の 書かれた素敵なお話をご紹介させて頂きます。
 人を憎むな 水元重夫さん 宮崎市立大宮中学校校長
 先日、母の七回忌を行いました。東京に勤務する弟家族も故郷宮崎に戻り、久しぶりに在りし日の母の話になりました。
母は女学校卒業後、電電公社に勤務し、結婚してからも仕事を辞めることなく定年まで働きながら、私を含め男児三人を育てました。家電など今ほど便利でなかった当時、仕事を しながら家事、子育てと、家族のためにいつも忙しく働きまわっていた母の姿が今も思い出されます。
 安岡正篤氏は、「世に母の徳ほど尊く懐かしいものはあるまい。母は子を生み育て、子を教え、苦しんで己を忘れ、養うて恩ともせず、子と共に憂い、子と共に喜んで我あるを知らぬ」と言われましたが、母を懐かしむとき、この言葉が在りし日の姿と重なり、感謝の気持ちでいっぱいになります。
 子供のころ、母は「人を憎むな、腹を立てるな、くよくよするな、そして楽しく過ごしなさい!」と常に教え諭し、それを自身の後ろ姿で示してくれました。仕事ばかりで家事など 一切しない父に腹立たしい気持ちもあったかもしれませんが、一度たりとも夫婦喧嘩をする姿を見たことがありませんし、人の悪口を言ったり、噂話をしたりする姿も思い出しません。
 この母の言葉は私の心に刷り込まれ、いつしか私のバックボーンとなりました。自分なりに大過なく人生を送れていることは、母のおかげだと思っています。母が亡くなってからのことです。『ゲーテ詩集』を読んでいたら、「処世のおきて」というタイトルの詩に出会い、驚きを覚えました。そこには「気もちよい生活を作ろうと思ったら、済んだことをくよくよせぬこと、めったに腹を立てぬこと、いつも現在を楽しむこと、とりわけ、人を憎まぬこと、未来を神にまかせること」と母の教えとほぼ同じことが書かれていたのです。この詩に接し、一行一行噛みしめながら読んだ時、まさに「人生の大則」を教え続けてくれていたのだと改めて感謝したところです。
 母の恩に報いるためにも、今後ともこの言葉を心に抱き続けながら、実践を心がけていかなければと思っています。

 
今月のコラムはここまで


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