いのちを生み出すことは素晴らしい④

公開日：2019年03月30日カテゴリー：ブログ, 素晴らしいお話

　皆さん　おはようございます！　不妊相談ひとすじ２０年　宮崎市の漢方相談薬局・漢方の麗明堂、一般社団法人認定の子宝カウンセラー　薬剤師の金丸です。

　永原郁子さんの「いのちを生み出すことは素晴らしい」の最終回です。

　「人の命を守ろう」と口で言うことは簡単ですが、真に実行していくには、それに見合う責任と覚悟が伴います。そのような意味でも永原さんの実行されていることは本当に素晴らしいと思います。

　石川洋さんの「つづいてこそ　道」の中に、このような詩が書かれています。

やるなら決めよ

決めたら迷うな

　私も永原さんを見習って、より一層覚悟を強く持って赤ちゃんが欲しい方のお手伝いをさせていただきます。

永原　郁子さん　マナ助産院院長

平成５年、神戸市にて助産院を開業。平成１２年、性教育グループ「いのちの語り隊」を立ち上げ、幼稚園、小・中・高校、保護者や教育関係者向けの講演を行い、性といのちの大切さを子供たちに訴える。その活動は注目を集め、テレビ番組「情熱大陸」でも取り上げられた。また、育てられないと悩む女性が２４時間訪れることが出来る「小さないのちのドア」を平成３０年９月よりスタート。『ティーンズのための命のことが分かる本』（フォレスト・ブック）他の著書がある。

これからの課題

小さないのちのドアの課題はいくつかあります。

その一つは、この活動を必要としている方々に情報を届けることです。ヘルプカード、パンフレット、ユーチューブやSNS、講演活動等あらゆる方法で、20代や１０代の中・高生にも知らせたいと思っています。

二つ目の課題は、命を守るためのスムースな連携です。未受診妊婦を周産期センターの外来につなごうとするのですが、受け入れていただくことが困難な場合が多いです。ほおっておくと危険を伴う飛込出産や孤立出産、新生児殺害遺棄事件、心中につながりかねないケースですので、なんとか受け入れていただくシステムがないものかと思案しています。孤立出産後電話をしてこられた母子の搬送でさえ難しく、児相の対応ももどかしさを感じるケースがありました。

三つ目の課題は、安定した収入です。私たちの活動は命を助けようと思う方々のご寄付で成り立っています。今、交易認定を取得するために継続的に支援してくださる方を募っております。

四つ目の課題は、マタニティーホームの建築です。住む場所がない妊産婦さんたちからの相談も受けます。ホームはまだ建っておりませんので、今はドアに賛同してくださる方のご厚意でディケアの施設などで衣食住をご提供していただいています。

真の幸せな社会とは

小さないのちのドアから「結婚に至らない妊婦でも生む選択ができる」「育てられなくても命を託せる」ということを社会に発信していきたいと思っています。そうすることによって胎児・乳児の命を守ることができ、虐待の連鎖を断ち切ることもできます。またいのちを生んだ女性が前向きに生きていくことができます。

「小さないのちのドア」を始めてから、何人もの方から「育てることもできなのに妊娠して」「育てることもできないのに産んで」という、批判的な言葉に傷ついたと聞きました。そんなことはありません。命を生み出すことはどんなに素晴らしいことでしょう。「こんなにつらい状況でも一つの命を産んだね。素晴らしいよ」「あなたの人生は祝福されるよ」と言葉をかけてあげたいのです。

このまま寂しい女性が増えていったら、日本の将来が心配です。命を守ることを掲げることによって、中絶での心身の後遺症を防ぎ、信頼の種、助け合いの種を社会に撒くことができます。子供は親のものではなく、社会の宝物として、子供も、産んだ女性も、育てている女性も笑顔で暮らせる社会を目指したいと思います。それは少子化の一助となります。

中絶は〝自分にとって不都合なものを排除してよい”という土壌を生んでいます。不都合なものが排除される社会には、真の安らぎや平和は決して生まれません。私たちだって年を取れば不都合なものになっていくのですから。私は、「小さないのちのドア」の活動を通して、もっとも小さないのちである胎児や新生児、そして弱い立場の女性が、最も小さないのちである胎児や新生児、そして弱い立場の女性が、最も大切にされることが真の幸せな社会を作ることになると、声を大にして伝えたいと思います。

≪完結≫

生命尊重ニュース　3月号 http://www.seimeisontyou.org/

　麗明堂の子宝専用HPは