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歴史が教えてくれる 日本人の生き方(3) 博多の歴女 白駒妃登美さんより

公開日:2015年03月29日 カテゴリー:アメブロ

 今日は、博多の歴女こと (株)ことほぎ代表 白駒妃登美さんのお話(第3話)の続きをご紹介させていただきます。

 前回の記事はコチラです。

 歴史上の偉人を「親友」と位置付けて育った白駒さんは、航空会社で国際線客室乗務員として勤務し、世界を巡りました。その経験と日本の歴史に触れながら、これからの日本人がどのように生きていけば良いのかについてお話されています。

 今、日本は2020年の東京オリンピックに向けて、明るい兆しが少しずつ見えてきたように思います。ところで、50年前の東京オリンピックの招致レースの際、東京はダントツの最下位と予想されており、開催が決定したときは世界中が驚いたのをご存じでしょうか。 

 招致レースの開始当初、日本の招致委員の人たちは、戦勝国側の賛同を得られないことは予想していました。しかし、中南米の国々の賛同を得ることができたなら、大逆転がありえると考えたのです。その逆転劇の立役者が、アメリカ在住の日系二世であるフレッド・イサム・ワダさん(1907~2001)です。その背景をお話ししたいと思います。

 第二次世界大戦の終結から三年後の1948年、中断されていたオリンピックが復活し、ロンドンで開催されました。このとき、戦勝国側の意向が影響したためか、日本とドイツは参加できませんでした。このロンドンオリンピックに、もしも日本が参加していたとしたら、金メダル獲得が確実視されていた選手がいました。それは水泳の古橋廣之進(こはし ひろのしん)さんです。

 ロンドンで競泳競技が行われるその日、日本では水泳の全日本選手権が開催されました。古橋選手は1500メートル自由形に出場し、他を寄せ付けない圧倒的な泳ぎで優勝を飾ります。そのときのタイムは、ロンドンオリンピックの同競技優勝者の記録を40秒も上回るものでした。ところが当時、日本が国際水泳連盟から除名処分を受けていたことから、古橋選手の記録は公認されずに幻と消えたのです。それどころか、世界のマスコミは「日本の時計が壊れていたのではないか」「プールが短いのではないか」と書き立てました。

 しかしその翌年、それらの報道を覆すチャンスが巡ってきます。1949年、日本が国際水泳連盟に復帰を果たすと、ロサンゼルスで行われる全米選手権への出場の打診がありました。ところが、当時の日本は、食べる物にさえ事欠くような状態で、選手たちを海外に遠征させるだけの資金がありません。ただ、もしここで古橋選手たちが活躍すれば、敗戦に打ちひしがれた日本人は、希望を見いだせるかもしれません。そのため、関係者たちは選手団をアメリカに派遣すべく、必死で資金を募りました。なんとか資金の算段がつくと、安心するまもなく、新たな問題が持ち上がります。アメリカでは、日本は「敵国」という意識がまだ強く、ロサンゼルスのどのホテルも日本人を泊めようとはしなかったのです。そのときに救いの手を差し伸べてくれたのが、フレッド・イサム・ワダさんだったのです。ロサンゼルスでスーパーマーケットを経営していたワダさんは、日本の選手団を自宅に招いて宿泊させ、心のこもった食事を提供しました。さらに、練習場であるプールへの送迎もすべて引き受けたそうです。

 選手たちはみな、ワダさんをはじめロサンゼルスに住む日系人の方々から受けた恩を返そうと、尋常ではない気持ちで全米選手権に臨みました。その思いは実を結び、1500メートル自由形の決勝では日本人選手がデッドヒートを繰り広げ、1位が古橋廣之進選手、2位が橋爪四郎選手、3位が田中純夫選手という結果を収めました。この大会において、古橋選手をはじめとする日本人選手たちは、九つの世界記録を打ち立てました。敗戦に打ちひしがれていた日本人はこの結果を知り、彼らの活躍に希望や誇りを見いだしたのではないかと思います。

 大会後の祝賀会で、日本チームの監督が「ワダさんやロサンゼルス在住の日系人の方々のおかげだ」と感謝の言葉を述べると、挨拶に立ったワダさんはこうおっしゃったそうです。

「お礼を言いたいのは私たちのほうです。昨日まで『ジャップ、ジャップ』と呼ばれていた私たちが、古橋選手たちのおかげで、一夜にして『ジャパニーズ』と呼ばれるようになりました。本当にありがとうございました」

 私は、このお二人の「おかげ」という言葉の中に、日本人の生き方があると感じます。私たちは素晴らしい結果がもたらされたとき、自分の努力を誇るのではなく、周りの人の支えや自然界の恵み、あるいは先人たちのおかげなど、目には見えない大きな力に対して「おかげさま」と言います。他にも「ご縁」「絆」「いただきます」「ごちそうさま」など、ひと言で外国語に訳せない特徴的な日本語がありますが、これらの単語の中に、日本人らしい生き方のヒントが詰まっているのではないかと思うのです。

(中日本生涯学習センターにおいて行われた公開講演の要旨より)
 この続きは、また後日…

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